わりなき恋

こんにちは。
ギャラクシーブックスの編集の野田です。

本日は岸惠子さんの著者、「わりなき恋」の感想を書きたいと思います。
岸惠子さんは今年85歳を迎える、
沢山の映画に出演されてきた女優さんです。
「わりなき恋」は岸惠子さんの実体験を元に書かれた恋愛小説ですが、
ありきたりな展開、デジャヴ感が一切ない小説で、読み応えがすごかったです。

 

海外の政治、文化等を記事にするドキュメンタリー作家、

フリーの女優として海外を往復する主人公と、
大企業に勤め、仕事のできる高い役職につく世界を飛び回るビジネスマンの小説です。
特殊なのは、なんと主人公の女性の年齢が69歳、相手の男性は58歳というところです。

 

はじめて書店で本を手に取ったとき、
私と年齢がかなり離れているので全く共感できないのではないか、と思ったのですが、
読書メーター」というサイトを見ると評価が高かったので
思いきって購入してみました。

 

やはり年齢が50代、60代の小説なので、
青春らしいキラキラした爽やかさや、主人公が悲観的になったり自分に酔ったり、

先走ってから回ったり、ということが全くありませんでした。

 

とにもかくにも人生経験のある大人の恋愛なので、言動がとても理性的です。

「69歳ってこんな感じなの......?」
ってなります。

 

恋愛小説ではありますが、

特にときめいたりとかうらやんだり共感するような小説ではなく、
年を重ねるってこういうことなのかな、
と考えさせられる作品でした。

年齢を重ねる中で、賢さとか冷静さとか達観した考えを持った人間が、
どうにもわりきれないような、衝動的な感情を抱いたときにどうなるのか、
ということが書かれているような気がします。

とにもかくにもとても良い小説でした。
読み終わってぼーっとできたのは本当に久しぶりです。
エンタメ的な、ほれたはれたこじれたみたいなスリルがないのにも関わらず、

じっくりと読めるとっても新鮮な本でした!

やっぱり読書は最高ですね!

 

次はいまさら感がすごいかもしれませんが、
黒革の手帖人間失格を読んでいるので、その感想を書きたいとおもいます!

ありがとうございました!