おやすみプンプン
第4回目は、
「おやすみプンプン」という漫画について紹介します。
浅野いにお先生の作品で、
代表作は、「ソラニン」「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」などの作品があります。
ソラニンは宮崎あおいさんが主演で、映画化しているので知ってる方も多いかも知れません。
おやすみプンプンは、
主人公はヒヨコの落書きのような風貌をした少年のプン山プンプン。彼の小学生時代から中学、高校、フリーターとして社会に出たその後の人生を描いています。
プン山プンプン→小野寺プンプン
・本作の主人公。普通の人間だが、作中では自身の一族を含め落書きのようなヒヨコの姿で表現されている。物語の後半ではプンプンの精神状態によって四角錐に顔が描かれた姿や、悪魔のような真っ黒な姿など、容姿の描写が変化する。
プン山プンプンパパ
・プンプンの父。プンプンからするとヒステリーなママとは違う優しいパパであり、家族のことを思い単身赴任を断った結果、リストラにされ無職に。それ以来夫婦はけんかが絶えない。
プン山プンプンママ→小野寺プンプンママ
・プンプンの母。自己中心的でヒステリックな言動が目立つが、その反面寂しがりで涙もろい性格も垣間見える。いじめに遭った過去があり、それが性格形成に寄与している。パーマと口紅が特徴。
小野寺雄一
・プンプンの叔父で、プンプンママの弟。美大の大学院卒業後、みつぞの陶芸教室にて講師として勤める。元は大船に住んでいたが、プン山家でも事件以来プンプンと暮らすようになる。自分自身を軽蔑視する事が多く、人間不信であるが、その理由は自身の暗い過去が関係している。
この作品は、
主人公であるプン山プンプンの少年時代から青年までの成長と葛藤を描きます。
"子供の落書き”のような姿で描かれるプンプンですが、物語自体は非常に重たいものになっています。
罪悪感・劣等・偽善・後悔・失望・葛藤・虚像・呪縛・執着・孤独・依存・混沌・不条理
おやすみプンプンを表現するなら、こんなキーワードが当てはまります。
そして、高校を卒業したプンプンは、一人暮らしすることを決意する。
「一年後…今の状況と何も変わらなかったら、自殺する」と決めて。
といった簡単なあらすじですが、
主人公とその家族は落書きのようなヒヨコ?のような姿で、その他の登場人物は普通の描写という、
一見シュールでギャグ漫画のような内容からは想像できないほどの鬱、鬱、鬱という展開が待っており、
そのギャップがたまらなく面白い。
プンプンの顔は、最後までわからず(途中クラスメイトがジャニーズ系という描写あり)、
成長過程で描写は変わってきますが、読んでいるうちになぜかヒヨコの姿に慣れてくる、むしろヒヨコの姿じゃないと読んでいられない不思議な可愛いプンプンの世界に引き込まれていきます。
本来、主人公に感情移入をさせて読むということを前提に物語とは進めていくものですが、
それをあえてヒヨコという描写にすることで客観性をもたせていることがこの漫画の上手さなのかもしれません。
プンプンは純粋すぎるがゆえに、まわりの友達や大人達に翻弄され、少しずつ大人になっていきます。
それをゆったりと流れる普通の生活においての日常のような非日常の出来事に対面したプンプンが成長し、
大人になる過程での葛藤がプンプンの最大の魅力なのかと思います。
日常を淡々と進めていきますが、それがラストへの土台となり、まさかの展開に…。
誰しもが持っている子供の頃の思い出に浸れ、落ち込んでいる時にあえて読んでみてはいかがでしょうか?
正直、人によってはお勧めできないかもしれません笑。
名セリフ
ただ、他人の価値観に晒されて自由を奪われるつもりはない。【プンプン】
是非、最終回まで読んであなたの感想を教えてください。